スウェーデンもコロナ禍でペット需要が急上昇していますが、今回はそんな可愛いペットでお金儲けをしようとしている輩が増えているスウェーデンの問題についてまとめてみました。
急増するペットの密輸入
以前の記事「犬のペットショップ販売は違法!犬権が守られたスウェーデンで犬を買う方法」でもお伝えした通り、スウェーデンでは動物保護の観点からペットショップでは犬や猫の陳列販売はしていません。そのため、ブリーダーやインターネットの掲示板を通じて購入するのが一般的です。
スウェーデンで犬や猫のペットを購入する方法については、よかったらこちらの過去記事を読んでみてください。
日本だけでなく、スウェーデンでもコロナ禍で愛犬を手に入れようとする需要は高まっています。需要が高まれば、価格もおのずと高騰します。そんな高くなったペットの価格に刺激されて、ここスウェーデンでは違法なペット産業が増加しつつあります。特に多いのはペットの密輸入なんです。スウェーデンに密輸入される犬は主にポーランドやルーマニア、ブリガリアからと言われており、それらの国にはValpfabriker(子犬工場)が存在するそうです。
スウェーデンの税関によれば、2020年11月までに101件の犬の密輸入事件を検挙していて、合計236匹の犬を保護されました。コロナ禍が始まる前の2019年にはこれ以上の検挙数があったことは事実ですが、2019年の保護した犬は178匹と2020年よりも少ないことから、やはりコロナ禍でペットとしての犬の需要高に乗じて密輸入が盛んになっていることはわかります。
偽造された犬の保証書の増加
国境で見つかる密輸入の犬たちがすべてではありません。近年スウェーデンの獣医が偽装された犬の出生証明書やEUペットパスポートを発見する頻度が上がってきていると懸念しています。
このEUペットパスポートはEU圏内でペット用に発行されているパスポートです。EUペットパスポートには、ペットの名前や生年月日、受けた予防接種の種類や有効期限、交代検査の結果などが記されていて、EU圏内をペットと旅行や移動をしやすくするための取り組みなんです。ここでは詳しく内容については割愛しますが、いつか愛犬を迎えたらEUペットパスポートの経験談も書いてみたいと思います。
さて、この偽造された犬の出生証明書やEUペットパスポートですが、特に密輸入が検挙されるデンマークとスウェーデンの国境に近い南スウェーデンでよく発見されます。ただ、密輸入された犬たちはそのままスウェーデン中に売られているので、現在では偽造問題はスウェーデン全国に広がっています。
せっかく迎え入れた可愛い子犬の出生証明書やEUペットパスポートが偽装だった場合には、とてもショックですよね。正式な証明書がないと分かった場合には、予防注射やEU域内の移動にも支障をきたす可能性もあるので、しっかりとチェックしたいものです。
偽造書類摘発を阻むGDPR
偽造された犬の出生証明書やEUペットパスポートをせっかく獣医が発見しても、現在のスウェーデンではGDPRなるものが対応を難しくさせています。
GDPRはGeneral Data Protection Regulation、日本語では「EU一般データ保護規則」と訳されます。要は日本の個人情報保護法と同じような法律でEU域内の各国のすべての個人のためのデータ保護を強化した規則です。
GDPR自体は個人情報の保護を目的としているので、特に問題があるわけではありませんが、偽造書類を見つけた獣医にとっては犬が健康な状態にも関わらずGDPRに反して犬と飼い主の情報を外部に漏らすことはできないと考えられているんです。
スウェーデンの獣医を代表する協会はスウェーデン農業省に対して深刻な懸念を示して、事態の打開を模索しているようですが、残念ながら現時点で有効な他対応策は講じられていません。
まとめ
コロナ禍で急増する違法なペット産業いかがでしたか?日本のようにペットショップで陳列販売をすることを禁じている動物愛護精神に富んだスウェーデンでは、日本とは異なるペットの問題を抱えています。
特にスウェーデンをはじめすべてのEU諸国は陸続きで移動もしやすいことから、密輸入も日本に比べると格段に多いことは確かです。そして、コロナ禍で癒しを求めてペット価格も高騰しており、そのお金に目を付ける悪徳業者も増えています。
せっかく新しい家族の一員を迎え入れるんですから、ブリーダーと方との信頼関係、そして子犬の親犬とも事前に面談をして、安心安全な愛犬との生活を楽しみたいですね。
最後まで本ブログを読んでいただきありがとうございました。北欧で暮らす日本人家族、そして愛犬(まだいませんが)に関して、こんなこと知りたい!こんなこと書いて欲しいなどありましたら、ぜひコメントを頂きたいです。
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参考記事:https://www.expressen.se/kvallsposten/allt-fler-smuggelhundar-upptacks-hos-veterinaren/
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