スウェーデンで犬がすぐに飼えない理由について、今回はお話しします。
ペットの売買
日本であれば当たり前ですが、どこにでもあるペットショップへ行けばお好みのペットを探し出して購入することができます。とっても便利ですよね。だけど、家族の一員となる犬や猫が商品のモノのように陳列されている風景は少し違和感を感じる方もいるのではないでしょうか?
スウェーデンは、他のヨーロッパ諸国と同様に非常動物愛護に厳格な国のため、犬や猫をペットショップで陳列販売することを法律で禁止しています。
そのため、ペットショップには餌やリードなどのペット用品は売っていますが、日本のような犬や猫が所狭しとゲージに入っている状況を見ることはありません。
スウェーデンでは犬や猫をただのペットとして扱うのではなく、家族の一員、いえ他の家族と同等な「家族の一員」として扱うというよりも、尊重をします。
そんなわけですから、スウェーデンでは「犬を飼おう」と家族会議で決まったとしても、すぐに犬を飼えるわけではありません。
では、どうやって犬を飼い始めるの?
今日はそんな動物愛護精神の高いスウェーデンでどうすれば犬を飼い始められるのか解説します。
犬はどこからやってくるのか?
じゃ、動物愛護先進国のスウェーデンでどこに行けば犬を購入もしくは譲ってもらえるのか?個人的に色々調べた限りでは、以下の5つの方法があることがわかりました。
- インターネットの個人売買掲示板から購入
- 公認ブリーダーから購入
- スウェーデン以外の国から個人輸入された子犬を購入
- 保護施設から譲り受ける
- 知人/友人から譲り受ける
インターネットの個人売買掲示板から購入
最も一般的で手軽な方法です。動物愛護先進国ということでペットショップなどで陳列された形で販売はしていませんが、インターネットサイトでは子犬など結構盛んに売り出しがされています。
ただ、個人間での売買なのでちょっと不安だし、ちゃんとしたブリーダーではない子犬の健康状態には要注意です。
ちなみに、私のスウェーデン人の友人からは、動物の繁殖&販売にはちゃんとしたブリーダーの許可が必要と言われたのですが、このインターネットで売られている犬や猫は、なぜ平然と売買ができるのか不思議で仕方ありません。
ブリーダーから購入
ブリーダーとして犬のことを熟知して子犬販売を行っている方から直接購入できます。スウェーデンではSKK(Svenska Kennelklubben)という犬の飼い主の団体があり、SKKに所属するブリーダーであれば保証もあるので良いでしょう。
ただ、子犬の繁殖はそんなに簡単なものではありませんし、常に子犬が売られているわけではないため、通常ブリーダーには長い子犬待ちの列ができています。
ちなみに、人気の犬種となると行列ができるだけではなく、ブリーダーによっては子犬を買いたい人との面接があったりします。
そりゃ、大切に育ててきた愛犬の子供たちですから、変な人に譲り渡したくはありませんよね。友人家族が子犬を買いたいととあるブリーダーにお願いしたい際には、ブリーダーは購入希望者全員との面談と事前に「なぜ犬が欲しいのか?」をエッセイにして提出することを求められたそうです。
日本のようにペットショップでお金を払えば手に入る命と違って、スウェーデンでは購入する前までにブリーダーとの信頼関係を築くことも大切ですが、まさかエッセイの能力まで必要だとは思いませんでした。
スウェーデン以外の国から個人輸入された子犬を購入
愛護精神の強いスウェーデンにおいて子犬や子猫を購入する金額はブリーダーの一声で決まります。そのため、常に需要が高い状態のスウェーデンではどうしても高額だったりしますが、そのお金を浮かせようとしてスウェーデン以外の国から子犬や子猫を購入して持ち込んで、転売した差額を利益として稼ぎにしようとする人たちがいます。
もちろん、違法ではありませんが、商業目的で繁殖され産まれたばかりの抵抗力の弱い子犬に長旅をさせることが良いことか悪いことかは、お分かり頂けるかとおもいます。
実際、知人が値段が安いという理由で自らスウェーデン以外の国から子猫を購入して連れて帰ってきました。そして、残念ながらその子猫は健康状態が思わしくなく何度も病院に駆け込んでいるそうです。
保護施設から譲り受ける
スウェーデンにも保護された犬や猫を収容して、新しい里親に引き渡すサービスが存在します。犬はhundar Utan Hem、猫の場合にはKatt Hemという団体が活動しています。
種類などに関わらず、何かしらかの事情で保護された犬や猫を助けてあげたい方には良い選択だと思います。
ただし、動物愛護精神の強いスウェーデンでは、里親として犬や猫を引き取る際には入念な準備を求められます。Katt Hemでは、里親希望をした際には、まずはスタッフとの面談をします。そして、お試し期間として数日から数週間ほど自宅で過ごすこととなります。猫もそして飼い主もお互いの相性をしっかりと確認した後に初めて譲り受けることができます。
このことからも、スウェーデンでは犬や猫に対して人間の都合だけを考慮した一方的なやり方を押し付けるのではなく、犬や猫の立場にも立ってゆっくりとストレスを与えないように配慮されていることがわかるかと思います。
知人/友人から譲り受ける
これはもうその方の人脈による賜物でしょう。「子犬が産まれてから、飼わない?」なんて言ってくれるご近所さんがいれば完璧です。
ただ、やっぱりちゃんとしたブリーダーではないオーナーとの個人売買となるので、色々な不安要素があります。
まとめ
今回はスウェーデンでのペット、特に犬や猫を飼い始めたい場合の入手経路についてまとめてみました。
日本のようにペットショップで陳列されているわけではないため、いざ犬を飼おうっと思っても、まずは飼いたい犬に合わせてインターネット検索をしたり、ブリーダーを探し出して交渉する必要があります。
便利じゃないことは確かですけど、大切な新しい家族がそんな簡単に手に入ってしまうのもまた違和感がありますよね。焦る気持ちはありますが、ゆっくりゆっくり進めていきたいと思います。
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